2023年4月26日放送の『クローズアップ現代』(NHK)で「大人の食物アレルギー」について紹介されました。
食物アレルギーのメカニズムと対策について、藤田医科大学 ばんたね病院 教授の矢上晶子さんが教えてくれました。
大人の食物アレルギー回避対策
紹介された「食物アレルギー」の原因と回避策です。
サーファーに多い納豆アレルギー
サーファーに多いのが納豆アレルギーです。(意外ですね!)
原因はネバネバの中にあるアレルゲン「PGA」という物質であることが最近分かってきました。
このPGAはクラゲが毒針をさす時に生み出すもので、何度もクラゲに刺されると体内にPGAが入り、アレルギー反応がおきやすい体質になります。
そこに納豆を食べPGAが体内に入ると、構造が似ているアレルゲンが侵入したと体が認識してしまうのです。
このアレルゲンが異物と勘違いをして過剰な免疫反応(交差反応)を起こすことになります。
サーフィンや海に入ることが多い場合は、クラゲに刺されないように注意したいものです。
この「交差反応」を起こすものは他にもあります。
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ペット飼育者に多いマダニアレルギー
ペット飼育者に多いマダニアレルギー。
マダニに含まれるアレルゲンと牛肉や豚肉に含まれるアレルゲンが似ていることで「交差反応」を引き起こします。
番組ではマダニに噛まれない生活を徹底することで、徐々に症状が改善されている人が紹介されました。
医療従事者に多いバナナ・アボカドアレルギー
医療従事者に多いアレルギーも「交差反応」によるものです。
原因はゴム手袋の素材である「ラテックス」だと言われています。
荒れた皮膚から体内に入ることで、バナナやアボカドに反応してしまいます。
このアレルギー症状が出た医療従事者は、ラテックスの手袋を避けるか、バナナやアボカドをひかえることが必要ですね。
花粉症と関係のある食物アレルギー
「花粉症」も実は食物アレルギーと関係があります。
下の図は「花粉」と「交差反応」が報告されているものです。
3〜6月:カバノキ科(シラカンバ・ハンノキ)✕ リンゴ・モモ・サクランボ・大豆など
2〜4月:ヒノキ科(スギ)✕ トマト
5〜7月:イネ科(オオアワガエリ・カモガヤ)✕ トマト・メロン・スイカ・オレンジなど
8〜9月:キク科(ブタクサ)✕ バナナ・メロン・スイカ・キュウリなど
花粉症の症状が出たら、これらの果物・野菜の摂取をひかえる必要があるということですね。
運動する人に多い小麦アレルギー
上の4つのアレルギーは「交差反応」によるものですが、運動する人に多い小麦アレルギーは原因が異なります。
小麦アレルギーは小麦を食べただけではアレルギーを起こしません。
しかし、小麦を食べた後数時間以内に
・運動
・飲酒
・入浴
・鎮痛剤を服用する
と、この4つを行うとアレルギー症状を誘発します。
実はこのアレルギーに対して根本的な治療はまだみつかっていません。
アレルギー症状を引き起こした場合には、小麦をつかった食べものを食べない、食事の前に入浴をしたり、食後すぐに運動しないなど生活を見直す必要があります。
なお、現在「低アレルゲン化小麦」が開発されており、臨床試験が行われていると番組では紹介されました。
まとめ
この記事では、2023年4月26日放送の『クローズアップ現代』で紹介された「大人の食物アレルギーの対策」についてまとめました。
ちなみに食物アレルギーは全員が全員起こすわけではなく、人口の約1割の人が症状が出るとのことです。
「もしアレルギーかも?」と思ったら、
・アレルギー専門医を受診する
・血液検査や皮膚テストを受ける
ことが大事です。
今回教えてくれた矢上晶子さんからは次の2点のアドバイスがありました。
・皮膚を守りアレルゲンの侵入を防ぐ
藤田医科大学ばんたね病院 教授の矢上晶子さんです。
矢上晶子先生の著書