2023上半期(第168回)の「芥川賞」の選考会が1月19日(木)に行われます。
これに先立って昨年2022年12月16日(金) に5人の候補者がノミネートされました。
この記事では
・受賞者作品の予想
この2つにフォーカスしてお伝えします。
2023上半期(第168回)芥川賞候補者とノミネート作品
第168回 芥川賞候補作の発表は12月16日午前5時(←お馴染みの早朝)なので、15日までに可能な限り読んで予想したいな。文藝賞受賞作のどちらかが入るとみて、せめて未読の「ジャクソンひとり」は読了したいと思いつつ、今は「植物少女」読んでるところ。多分「光の痕」は未読のまま候補に入れます笑 pic.twitter.com/PnrDXoApI7
— 流譜∮書店員 (@refrain247) December 13, 2022
昨年2022年12月16日(金)に「第168回 芥川賞」の候補者・作品が発表されました。
ノミネートされたのは次の5人です。
・井戸川射子
・グレゴリー・ケズナジャット
・佐藤厚志
・鈴木涼美
(敬称略/五十音順 )
2023上半期(第168回)芥川賞候補者のプロフィール
それでは、「第168回 芥川賞」の候補に選ばれた5人のプロフィールと受賞作品を紹介します。
安堂ホセ(あんどうほせ)
去年のお正月にはぬいぐるみを抱いてた知人の子ども、今年会ったらXXXテンタシオンのファンになってた。 pic.twitter.com/ekaak5vgDA
— 安堂ホセ✒️ジャクソンひとり (@joseando17) January 1, 2023
初小説を「文藝賞」に応募し、それが「第59回文藝賞」を受賞し小説家デビューした安堂ホセさん。
元々は映画好き。自主制作制もしていましたが、一人で気が済むまで作れる方が合っていると感じ、シナリオから小説に移行したといいます。
ブラックミックスでゲイの青年ジャクソン。仕掛けられた罠によって性行為動画をネットに流出されてしまいます。似たような状況に陥った4人の男たちが、その容姿を逆手に取って復讐していきます。
作者の経験がモチーフになっているのかな?と思わせる内容ですね。
「ジャクソンひとり」
おもしろかった 読んでいる間、違う身体の違うリズムで違う街にいた速さと、予告なく切り替わる視点を追っていたら、身体能力が拡張されたような錯覚を得て
ひといきに読み終わって目を上げたら
いつもの夕方で山羊鶏のお世話の時間で
あれここどこだっけとびっくりした— おかゆ (@okayusurvive) December 25, 2022
井戸川射子(いどがわいこ)
【新聞記事】ひと:井戸川射子さん=「ここはとても速い川」で野間文芸新人賞 ~ 詩人の顔を持つ高校の国語教師。「詩を教えるのが難しく、自分で書けば分かるかなと思って」2016年に詩の投稿を始めた。18年に発表した第1詩集で中原中也賞を受賞。「著者の体験と重ねて~ https://t.co/D1rkMWlcsI
— 詞華集BOT (@anthology_bot) January 4, 2022
国語教師で兵庫県在住の井戸川射子さん。
詩集「する、されるユートピア」は2019年に第24回中原中也賞を受賞。そして2021年には、小説集「ここはとても速い川」で野間文芸新人賞を受賞しています。
ショッピングモールの喪服売り場で働く中年女性。子育てを終え日常に流されていたけれど、中学生の少女と出会うことで、忘れ去っていた子育ての記憶を思い出していくという追憶の物語です。
2023年の初読み本はこちら
「この世の喜びよ」#井戸川射子
没頭して読める文学っていいですよね。
『あなた』を『私』と勝手に変換して読むと、また違った風景が見えてきます。芥川賞候補作品。 pic.twitter.com/xQ4QwxYYYG— 双子moon(幻ノ月音) (@moon61226676) January 2, 2023
グレゴリー・ケズナジャット
米国出身で、日本語で創作する作家グレゴリー・ケズナジャットさん。デビュー作『 #鴨川ランナー 』のインタビューです。https://t.co/0LQTWDbCGX
— 好書好日(こうしょこうじつ) (@BOOK_asahi_com) March 27, 2022
アメリカ出身で2007年に来日したグレゴリーさん。同志社大学大学院では谷崎潤一郎を研究。現在は法政大学グローバル教養学部准教授です。
2021年に「鴨川ランナー」で「第2回京都文学賞」を受賞しデビューします。
留学先の日本から、サウスカロライナに帰郷した主人公のラッセル。
目の前の風景と聞こえてくる音楽に、ラッセルはイランからこの地に根を下ろした父のこれまでのことについてに想いを馳せます。
グレゴリー・ケズナジャット「開墾地」の主人公ラッセルもエクソフォニーの人。サウスカロライナ育ち、母が再婚後に出奔してからイラン出身の養父独りに育てられ、日本の大学に留学。彼は母語の内にいる方が思考を縛られるように感じる。その恐れの源には母の存在もあるようだ。母語まさに母の言葉。 pic.twitter.com/v9GSucBOOo
— 🐈🦔鴻巣友季子(『文学は予言する』新潮社) (@yukikonosu) October 26, 2022
佐藤厚志(さとう あつし)
佐伯一麦先生のせんだい文学塾講座を終えて、佐藤厚志さんの新潮新人賞受賞祝いを兼ねた打ち上げです。祝いのドンペリで乾杯! pic.twitter.com/Xh0rdBaFSB
— ワッシュ(鷲羽大介) (@washburn1975) December 16, 2017
仙台在住で書店に勤務する佐藤さん。
2017年に「蛇沼」で「第49回新潮新人賞」を受賞しデビューします。
40歳の植木職人の坂井祐治は震災で仕事道具も震災でなくし、2年後には妻も病気で亡くしてしまいます。友人たちも同じようにくすぶった境遇です。
震災後の生活に向き合う一人の中年男性の姿を描いています。
東日本大震災から十年余りが過ぎても、「その瞬間」の衝撃を覚えている人はまだたくさんいるだろう。しかし、何かや誰かを失った人すべての「それから」を追えている人は、果たしてちゃんといるだろうか。荒地の家族は、震災が終わってもなお続く被災者の「それから」にじっくり視線を据えた作品。
— ウォォォー (@efYh0cnslJAu50b) December 25, 2022
鈴木涼美(すずき すずみ)
SPA!のコラムをまとめた『8cmヒールのニュースショー』にちなんで、集英社オンラインにsmartの元編集長の佐藤誠二朗さんによるインタビューという豪華企画。写真はギフテッドの時も今年のベストショットを撮影して下さった井上たろうさん。
前半https://t.co/6BgcXf4J6I
後半https://t.co/a05T1nMBce pic.twitter.com/WNg8c2GLkh— 鈴木涼美 (@Suzumixxx) December 31, 2022
ハイソな家庭に育つも高校時代はブルセラ少女、大学入学後にはAVデビュー。しかし大学卒業後は「日本経済新聞社」に入社し、地方行政の取材を担当するというユニークな経歴を持つ鈴木さん。
2013年に、大学時代に執筆した修士論文『AV女優の社会学 なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか』が書籍化されています。
アダルトビデオ業界でメイクの仕事をしている主人公の聖月(みづき)は祖母と一緒に暮らしています。一緒に暮らすその家は西洋建築の家。
「聖と俗」の対極とも言える世界を淡々と表現しています。
放置してた文學界11月号、芥川賞候補になった『グレイスレス』をあわてて読む。主人公の心情にはそれほど深く入り込まず、目に映るものだけが淡々と描写されていくだけなのにグッと引き込まれていく。要するに上手い。#グレイスレス#鈴木涼美 #芥川賞 #文學界 pic.twitter.com/MHX7s2WE4v
— めたんこ (@demio_roadster) December 30, 2022
2023上半期(第168回)芥川賞受賞者作品予想
どの作品も面白そうですが、
が受賞の可能性が高いように思えます。
ただ、現在「多様性」や「SDGs」が話題となっている側面があるので、
の可能性も高いのではないかと思います。
ということで……私の受賞予想は井戸川射子著『この世の喜びよ』です。
次は直木賞候補作を読み始めます!
— 天宮amamiya (@amamiya726) December 27, 2022
まとめ
この記事では
・受賞者作品の予想
をお伝えしました。
5作とも興味深い作品ですが、誰が受賞するのかとても楽しみです。
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