本日(10月4日)に北朝鮮が弾道ミサイルが発射されたということでニュースになっています。
そしてこの「弾道ミサイルのせいで雨雲レーダーに空白ができたのではないか?」と噂されています。
しかし結論からいうとこれは誤りで、雨雲レーダーに空白ができたのでは弾道ミサイルのせいではなさそうです。
そこで雨雲レーダーに空白ができる理由について調べてみることにしました。
雨雲レーダーに空白が弾道ミサイル発射のあとにできていた?
たまたま雨雲レーダー見たら なんだろこれ?? pic.twitter.com/arv25DS52v
— Kazzmusicspace (@kazumimOfficial) October 4, 2022
こちらは雨雲レーダー画像です。
北海道と本州の間の部分に白い空白が見えます。
北朝鮮から弾道ミサイルか 太平洋へ通過 発射は10日間で5回目https://t.co/Tos7x28YHj
「Jアラート」によると、ミサイルは北海道や青森県方向に飛び、4日午前7時29分ごろ、太平洋へ通過した。海上保安庁は同45分ごろ、すでに落下したとみられると発表した。 pic.twitter.com/gnXPqgmmj2
— 朝日新聞デジタル (@asahicom) October 3, 2022
本日のニュースでは北朝鮮から発射されたミサイルが北海道や青森県方面に飛び、太平洋へ通過したと報道しています。
ということで、最初のツイート画像の雨雲レーダーにある北海道と本州(青森)の間の空白が、このミサイルの影響では?と思えてしまえます。
しかし結論からいうとこれは誤りで、ミサイルとは全く関係ありません。
これ見て「雨雲レーダーにミサイルの弾道あとが!!」ってツイートしてる人たくさんいるけど、これレーダーの設置場所の都合による死角ってだけだから皆んな騙されないようにねー。
てか弾道ミサイルが雲のある高度を長々と水平飛行してたら、迎撃に苦労はしない。 pic.twitter.com/rlrJLMNe2Z
— ワダツミ (@WadatumiG) October 3, 2022
どうやら空白ができたのは設置場所に原因がありそうです。
そこで雨雲レーダーに空白ができる理由を詳しく見てみます。
雨雲レーダーに空白ができる理由
雨雲レーダーで北海道に空白帯が見られるのは、レーダーの電波が山で遮られているためです。ミサイルによるものではありません。誤情報にお気をつけください。 pic.twitter.com/10kfJW3PvU
— 荒木健太郎 (@arakencloud) October 3, 2022
今回の「雨雲レーダー」に空白ができていのは、レーダーの電波が山にさえぎられていたことが原因だったようです。
それでは雨雲レーダーはどういった場所に設置されているのでしょうか。
気象レーダーの設置場所
日本には、気象庁の運用する気象レーダーが20ヶ所ほどあります。
札幌(北海道小樽市毛無山)
釧路(北海道釧路郡釧路町昆布森)
函館(北海道亀田郡七飯町横津岳)
秋田(秋田県秋田市秋田第二合同庁舎屋上)
仙台(宮城県仙台市宮城野区仙台管区気象台(仙台第三合同庁舎屋上))
新潟(新潟県新潟市西蒲区多宝山)
長野(長野県茅野市車山) – 車山気象レーダー観測所
東京(千葉県柏市気象大学校構内) – 東京レーダー
静岡(静岡県菊川市牧之原) – 牧之原気象レーダー観測所
名古屋(愛知県名古屋市千種区名古屋地方気象台庁舎屋上)
福井(福井県坂井市東尋坊)
大阪(大阪府八尾市高安山) – 高安山気象レーダー観測所
松江(島根県松江市三坂山)
広島(広島県呉市灰ヶ峰)
室戸岬(高知県室戸市室戸岬特別地域気象観測所構内)
福岡(佐賀県神埼市脊振山)
種子島(鹿児島県熊毛郡中種子町種子島合同庁舎屋上)
名瀬(鹿児島県奄美市名瀬本茶峠)
沖縄(沖縄県南城市糸数)
石垣(沖縄県石垣市於茂登岳)ウィキペディアより引用
例えば、函館にあるレーダーは函館市街が見渡せる標高1111メートルの山の上にあります。
住所が「横津岳」になっていますが、横津岳山頂にあるわけではありません。
つまり函館にある気象レーダーは横津岳より低いということになります。
平成4年に、より高い横津岳に移設しようとしたのですが、その時すでに山頂には国土交通省の航空路監視レーダーが設置されていたため、やむをえず山頂より低い場所に設置したということでした。このため、気象レーダーの電波が遮られて、マップに空白地帯ができていたんですね。
引用:https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n6441dd81b3d0
↑
こちらは、気象庁観測整備計画課 奥村栄宏主任技術専門官(レーダー担当)の方のお話なので、間違いありませんね。
つまり、「山に電波が遮られて空白地帯ができていた」ということです。
関東にも柏だか 松戸だか辺りから 太平洋に向かって 2本同じような線(?)が出ますよねw
あれって 雨雲レーダーの付近に高いビルがあって 遮られちゃうから 出るって聞いたことあります。
たぶんこれも同じように遮蔽物があるんじゃないっすかねぇ?— High@黒カタナ&黒KATANA (@oh_high1967228) October 4, 2022
そして山だけではなく、建物など気象レーダーより高いものがあれば同様に電波が遮られて空白ができてしまうという仕組みになっているようです。
つまり今回の件も、電波が遮られたことによるものと見られます。
まとめ
今回は「雨雲レーダーに空白ができる理由」についてお伝えしました!
今回、北朝鮮がミサイルを発射したことと、雨雲レーダーに空白ができたいた日時に重なりがあったため、ミサイルの影響では?と考える人が少なからずいたようです。
しかし、雨雲レーダーの空白は、気象レーダーの設置場所に左右され、山やビルなど高いものが周りにあると電波が遮られてしまうことによってできるということが分かりました。
これまでも雨雲レーダーの空白はあったし、これからもあるということですね。
慌てないようにしましょう。
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